シリーズの特長と新商品の訴求に注力 TAMASHII NATION 2025

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 株式会社BANDAI SPIRITS(榊󠄀原博社長)は11月14~16日、東京・秋葉原で「TAMASHII NATION」を開催した。自社店舗を含め、3会場に新商品フィギュアを展示して消費者に紹介する年に1度の商品体験イベント。今回は「想像を超えた、その先へ」をテーマに掲げ、アニメを対象にしたフロアに、可動域が広くシーンを忠実に再現できる特長を記したボードを複数個所に掲示し、実際に触って遊べる体験コーナーを設けて、商品に持たせた機能を来場者へ訴求させる活動に尽力した。これらを通じ、海外を含めた新規需要の開拓を狙った。

 今回、特撮ヒーローの商品を集めたフロアでメインにしたのは、S.H.Figuarts真骨彫製法シリーズの商品群だった。真骨彫製法は表面的にではなく、魂を内包した本物感がより表れるよう、骨格、それに筋肉、ヒーロースーツと、段階的に造形したシリーズ。ヒーローは人間が変身した姿という要素に着目して造形することにより、シーンの再現がさらにリアルへ進化したフィギュアとして展開している。今回、投入の中心に持ってきたのは仮面ライダー新1号(税込価格1万1000円、11月14日発売)、新2号(税込価格1万1000円、12月発売)、ウルトラマン(税込価格9900円、11月14日再販)、秘密戦隊ゴレンジャーのアカレンジャー(税込価格1万3200円、11月14日発売)という定番色が強いヒーロー。これらは国内だけでなく、アジア圏での知名度も高いので、シリーズの特長を会場で紹介することにより、需要への転換を狙った。

 ロボットを対象の中心としたフロアでは、MEATAL BUILDシリーズをメインに持ってきた。アニメと同じデザインにしてシーンの再現を目指す通常のタイプに対し、MEATAL BUILDは独自のアレンジを加えたシーンを自由につくって楽しむシリーズとして展開している。今年、ロボット路線のみからの脱却を表明し、その第1弾が仮面ライダーゼロワン(税込価格3万3000円、来年5月発売予定)に決まった。全長200ミリで、超合金の重厚感があり、首が段階的に動いて他のシリーズ以上に可動域が広く、テレビに登場するゼロワンよりもメタル感の強さが感じられる。さらに参考出品としてロボットの様な体形の初音ミク、マッチョ感が増した聖闘士星矢なども紹介されていた。

 ロボット中心のフロアで最近のヒット商品を聞いたところ、METAL ROBOT魂シリーズの赤いガンダム(今年6月発売、税込価格2万4200円)が挙がった。赤いガンダムは最新のテレビアニメ・機動戦ガンダム GQuuuuuuXに登場する第1話のタイトルにもなったキャラクター。全話を通じて謎が多い存在であるのが視聴者の印象に残り、国内とアジア圏で販売量の増加につながった。シーンの再現というコンセプトにハマる事例が発生したことを受け、来年2月にGUNDAM UNIVERSEシリーズからの商品化(税込価格5500円)も決めた。また、大阪・関西万博の会場に設置したガンダム像の超合金フィギュア・RX-78F00/E(今年4月発売、税込価格3万3000円)も売れているという。イベントが終了したので、今後はパッケージを変更して販売を行う。大阪・関西万博が終わり、ガンダムの45周年活動は一段落となったが、そこで得た高需要は今後も続いていく。

【お知らせ】
 2025年12月号の新聞(ホビージャーナル)では、国内の上半期玩具消費状況、今年のクリスマス商戦でその他玩具に与える新型家庭用ゲーム機の影響分析、経済構造実態調査の結果、仮面ライダーの海外人気、国内で行われたイベントの内容と紹介されていた商品、キャラクターの動向(ワンピース、機動戦士ガンダム)、ドイツ政府の模倣品対策について取り上げました。その中から今月は、このイベントと展示品を紹介した記事をピックアップしてホームページへ掲載しました。スーパー戦隊シリーズのテレビ放送が休止になる話題の中で行われましたが、仮面ライダーとガンダムの商品売れ行きは絶好調のようです。