ラインナップ拡張の要因は何!? 勝利の女神:NIKKE

キャラクター

 

 夏から年末に向けた新商品ラインナップが各企業から発表されはじめ、スマホゲーム「勝利の女神:NIKKE」を題材にしたフィギュアやプラモデルの量が増えることが分かった。ゲームの内容は少女型戦隊ロボット集団(NIKKE)を指揮し、謎の生命体(ラプチャー)に占拠された地上を奪還するというが全体像。ゲームの開発を韓国企業、配信販売は中国の企業が担った海外産に当たる。ここでは、そのキャラクターの立体化へ日本のメーカーが取り組む理由を紹介する。
※ 下線がある文字をクリックすると、対象の実績表が表示されます。

 スマホゲーム「勝利の女神:NIKKE」のサービス開始は2022年。そこから1年間に計上した収益は約872億円で、国別のシェアは日本が59・3%、米国は15・5%、韓国12・2%と、日本が断トツに高いうえ、この3ヵ国で8割以上を占めていた。これまでに行ったメディアミックス展開は漫画と小説(いずれも小学館が発刊)、舞台があり、アニメ化はされていない。ゲーム内に日本のキャラクターが登場するコラボ実績が豊富なことも国内収益率を押し上げる要因になっており、ここ数年でリリースされたスマホゲームの中では好調さが目立つ存在として名前が挙がっている。

 さらに、同じ韓国発のスマホゲーム、ブルーアーカイブの存在がNIKKEの商品量増加を後押しした。配信開始(2021年)から2年間のブルーアーカイブ収益は約323億円。収益の国別シェアは日本が75・2%、韓国12・5%、米国6・2%と、似ているものの、金額はNIKKEの2割弱しかなかった。そこから昨年、アニメ化されて知名度が世界規模へアップした。BEENOSが今年、発表した「越境EC×2024年が第一期放送のアニメヒットランキング」では総合で1位、世界の地域別ランキングでもすべてで5位以内に入った。国内にファンが多く、商品化しても一定数がはける見込みがあった上に、海外からの売上げが乗って稼げた。この事例の再来を狙うのに選んだのが、ゲームでの実績が上のNIKKEだった。

 そのため、この現象創出にチャレンジするのは、海外市場の獲得を視野に入れたメーカーが中心。年末までには多様な商品ラインナップが整ってくる。日本のキャラクターではないので、心境は少し複雑だが、商材としては盛り上がりに期待が持てる対象ではある。

【お知らせ】
 2025年7月号の新聞(ホビージャーナル)では、模倣品に関する情報(輸出入差し止め状況、メーカーの対策、対策サービスを提供している企業の調査報告)、人口統計からの状況分析、国内外で行われたイベントの内容と紹介されていた商品、キャラクタートレンド、キャラクター賞に入賞した対象の内容、団体の動き、SNSアプリの新たな購買サービス、カプセルトイの市場規模、企業(ヤマト、安田倉庫)の動向について取り上げました。今月、その中からピックアップしてホームページへ掲載したのが、この「勝利の女神:NIKKE」に関する記事です。このキャラクターが今年、どれだけ海外需要を獲得し、成長するか、注目です。