プラモデルとの連動策導入 バンダイがガンダムカードゲーム本格発売

新商品

 

 東京税関の調査部調査統計課が発表した2023年の遊戯用カード輸出量は、過去最高の5億4383万組(金額は815億1425万円)であった。この数量は2021年の2・3倍(同、約3倍)。急速な成長に貢献したのは、遊戯用カード構成品目(トランプ、かるた、花札、タロット、トレーディングカードなど)の中で、遊びと収集品の二面性を持つトレーディングカードだと紹介されている。この様な状況から複数の玩具メーカーが新商品を投入し、100円ショップも独自商品の取り扱いをはじめた。競争が激化し、市場は飽和状態になりつつある中で、株式会社バンダイのカード事業部が「ガンダムカードゲーム」の今年7月世界同時本格リリースを決めた。この商品の展開秘策はプラモデルとの連動。キャラクターパワーだけでなく、差別化要素を加え、人気獲得を狙う。

 ガンダムカードゲームとして設けられているのは、スタートデッキ(全4種)、周辺商品(3点)、ブースターパック、新シリーズのガンプラと組み合わせたアッセンブルセット(全4種)。ガンプラは約5センチのミニチュアで、ゲーム中、カードの上に置いて使用する。自分で組み立てて、塗装するのが前提となっており、子供にとって初のプラモデル体験創出と、大人のガンプラファンをカードゲームへ呼び込む可能性を持たせている。

 トレーディングカードゲームの主軸といえばポケモン。収集品という面の需要も高く、世界中で取り引きされている。ゲーム出身のキャラクターなので、様々なメディアミックス展開を行ってきた実績があり、特にスマホゲームのポケモンGOは世界中で流行し、知名度向上に貢献した。一方、玩具でもBEYBLADEは体験、アニメ、SNS、動画配信と、多方面から認知度推進活動を行い、国内外でブランド力を構築させた実績がある。ガンダムカードゲームへ盛り込んだのは、これらと同様の相互展開によるブランド力向上施策に当たる。

 ガンプラの新シリーズ、ガンダムアッセンブルは、単体としてもBANDAI SPIRITSが発売計画を示している。ここにもバトルゲームの設定を設け、独自に遊べるようにする。発展的なガンダム関連商品が今年、投入される。

 

【お知らせ】
 2025年2月号の新聞(ホビージャーナル)では、統計からの状況分析、海外と日本の法制度改正、団体(大手家電流通協会、日本通信販売協会)の動き、特定業界の市場規模、企業(駿河屋、ホビーリンク・ジャパン、まんだらけ)の動向、海外のアニメ人気状況、年代別のクリスマスプレゼント調査結果などについて取り上げています。その中から、投入されるカードゲームの記事をピックアップして、ここへ掲載しました。やはり、この新商品は連携させているところがビジネスとしてのオモシロ味です。