2025年は日本のアニメ映画が大活躍 今年は企業の海外進出が加速

海外展開
2025年、グローバルに活躍した2作品

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 Amazon傘下のBox Office Mojoが「2025年の映画興行収入ランキング」を発表した。その中で、大健闘したのは、日本アニメの「劇場版 鬼滅の刃 無限城編 第一章 猗窩座再来」と「劇場版 チェンソーマン レゼ篇」。鬼滅の刃は北米市場で18位、全世界では7位に入った(表4と下記の※を参照)。北米ではR指定となり、公開した劇場の数(公開規模)が少ない中で、この順位を確保した。北米以外で稼いだ興収は約6兆ドル。全世界に占める北米の割合は18・5%(表5と下記の※を参照)で、チェンソーマンが27%、本国製作のズートピア2は23・1%だった。全世界ランキングの20位以内に入った中で、北米割合が1%以下と極端に低い中国映画3作品(1、14、16位)を除く、実写映画15作品の北米割合平均値は42・8%。アニメは21・7%と、実写映画の半分に落ちる。北米でも大人がアニメを観るようになったといわれているが、その人数は実写映画と大きな溝がまだある。50位まで範囲を広げて全世界ランキングを見ると、30位で名探偵コナン 隻眼の残像(興収は約1兆6606億ドル)、41位では国宝(同、約1兆3565億ドル)の名前が確認できる。ともに北米公開をしていない中で、この実績をあげた。

 一方、チェンソーマンは北米市場で49位(10月24日公開、興行収入4343万8461ドル)、全世界では31位(同、1兆6061万8663ドル)に入った。北米での公開規模は鬼滅の刃より若干、少ない3003館。しかも、このタイトルは公開から約2ヵ月後の12月9日よりAmazonなどでネット配信を開始して、この映画興行成績を残した。物語の終わりが見えている鬼滅の刃は映画興行へ特化したのに対し、連載が継続中のチェンソーマンは短期でのグロスビジネスを選択した。状況の違いがビジネス手法に相違を生む、面白い展開になった。

 2026年の北米市場では、日本版ゴジラや鬼滅の刃第二章などの映画公開が予定されている。さらに、ウマ娘がこの市場へ新たにチャレンジする。タイトルは「ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉」(公開日は2月27日)。国内では24年5月に公開したこの映画を日本の独立系配給会社であるギャガが北米市場へ提供する。海外で映画を公開する場合、少しでも多くの劇場を押さえるため、一般的には現地の配給会社と契約を結ぶ。この慣習からソニーグループはクランチロール、東宝がGKIDSという現地の配給会社を買収して、日本映画の北米公開に乗り出した。ウマ娘は現地への知見を持たない日本企業が配給を担う異例の体制で北米市場に供給される。

 このギャガの活動をアミューズメント施設やカラオケ店、フォトスタジオなどを国内外で約1100店舗展開している日本のGENDAグループが後押しをする。2023年11月からギャガは、M&Aによりこのグループの傘下に入った。ギャガは親会社の海外インフラを活用し、北米における新たな映画配給事例創出を狙っている。さらにGENDAとはブシロードも昨年の12月17日に業務提携契約を結んだ。ブシロードは中期経営計画で、海外におけるトレーディングカードゲーム体験イベントの数を増やす意向を示していた。その活動においてGENDAが抱える海外店舗は魅力がある。それぞれが海外展開で日系企業と協業し、相互の企業価値向上を目指している。日本のアニメとキャラクターグッズを扱う企業が取り組む2026年の海外展開は、以前よりもさらに活発化する。

※ この記事と添付した資料の内容は2026年1月30日現在の状況を記したものです。Box Office Mojoが運用しているランキングは作品の公開日を基準として、年間で興行収益を区切らずに、公開中の金額を加算する仕組みで公開されております。そのため、現在の興行収益やランキングを見るとこの内容とは一部が異なっています。また、国宝は2月20より北米市場での公開がはじまりました。それを前提に記事をご覧ください。

【お知らせ】
 2026年2月号の新聞(ホビージャーナル)では、インバウンド消費の動向と新たな政府計画に向けた団体の提言内容、中国の玩具市場とネット販売状況、団体が開催した新年会、海外における2025年の日本アニメ映画興行実績と今年の企業活動、海外アニメ賞へのノミネート結果、企業に影響を及ぼす2026年の法改正、企業(コンビニ3社、ソニーグループ、LINE、メルカリ、東宝、)の動向などについて取り上げました。
 その中から、海外における2025年の日本アニメ映画興行実績と今年の企業活動を紹介した記事をピックアップして、ホームページに掲載しました。2025年、グローバルに大活躍した日本のアニメ映画。それを受け、今年、アニメや関連商品を扱う日系企業の海外活動は、コラボを通じて活発化する様相を見せています。