2024年の国内玩具市場規模 前年比減は1分類のみで過去最高

調査報告

 

 一般社団法人日本玩具協会(前田道裕会長)が、2024年度の国内玩具市場規模を6月25日に発表した。会員企業と東京おもちゃショーに出展する企業の協力を得て、上代価格(希望小売価格)ベースで推計した昨年度(2024年4月1日~2025年3月31日)の国内玩具市場規模は1兆992億円。前年から7・9ポイント上昇し、過去最高を更新した。玩具業界は少子化課題へ直面しているものの、5年連続で市場規模を拡大させた。

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 昨年度の伸び率上位ジャンルは、上からハイテク系トレンドトイ(約42・4%増)、キャラクター(約21・3%増)、ぬいぐるみ(約15・3%増)、雑貨(約13・4%増)、ドール・ままごと(約12・1%増)の順。ハイテク系でTamagotchi、キャラクターやぬいぐるみにちいかわ、雑貨には推し活などのヒット要素が加わり、上昇に貢献した。また、BEYBLADE Xはメディアミックスやイベント、シルバニアファミリーが外へ持ち出しての写真撮影と投稿という、コトを絡めた戦略が売上げ伸長を生んだ。昨年度はこれらの活躍が目立つ一年だった。

 2019年からの長期視点で伸び率を見ると、ハイテク系トレンドトイ(約3・5倍)、カードゲーム・トレーディングカード(約2・7倍)、ぬいぐるみ(約65・8%増)、ホビー(約33・3%増)の成長が著しい。一方、19年からの消費支出では、単身世帯(玩具に対して約2・3倍)とインバウンド消費(全体で約1・7倍)が伸びている。2人以上の世帯は玩具に対して1世帯当たり386円増に留まっており、値上げ分を考慮するとほぼ横滑りの消費意欲でしかない。この4ジャンルの伸びに関しては、単身世帯とインバウンド消費の貢献度が非常に高い。

 2020年以降は前年実績から下がるジャンルを4~6品目に留め、連続成長を遂げてきた玩具市場。昨年度の伸び率下落は1ジャンル(季節商品)のみで、そこからも好調さが伝わってくる。ファミリー世帯が玩具への支出額を増やしていない中でも好調な背景には、この調査の対象品目ではないテレビゲームの影響があった。今年6月に本体の新機種発売を控えていたテレビゲームは昨年、有力な新商品ソフトの投入がなく、販売店と卸の該当部門売上げは前年から40%前後落ち込んだ。その費用が他の玩具購入へ回る恩恵が発生した。しかし、今年はその恩恵がなく、クリスマス商戦で販売店と卸が新型機種と新商品ソフトの販売へ注力する反動もやって来る。これに対し、玩具メーカーが年末に向けてどんな新商品を用意するか、注目となる。

【お知らせ】
 2025年8月号の新聞(ホビージャーナル)発行は、7月を合併号とさせていただいて、お休みしました。そのため、ホームページには9月号に掲載予定の記事を2件、新聞掲載に先駆けてアップしました。2024年度は好調だった国内の玩具市場ですが、今年度は事情が異なるので、クリスマス商戦での売上げ確保に向け、テレビゲームを扱わない玩具メーカーがどんな戦略を講じるか注目となります。