2022年の貿易統計 ホビー系玩具の実績は急成長中 その中でプラモデル、鉄道模型が占める割合は高い

 

   財務省より2022年の貿易統計速報値が発表された。輸出は前年比18・2%増の98兆1860億円、輸入が39・2%増の118兆1573億円。輸出入とも過去最高水準に達したものの、2年連続の貿易赤字で、差額は統計開始以来、最大の19兆9713億円へ膨らんだ。為替レートの年間平均が前年から21・36円も円安へ振れて輸入価格が上昇したうえ、ロシアによるウクライナ侵攻を起点としたエネルギー価格の高騰が響いた。円安志向が強い輸出注力国の日本にとっては、苦しい環境がより進む年となった。
 その中でプラモデルや鉄道模型を含む、玩具の輸出実績も過去最高になった(ここをクリックすると表示される表1を参照)。コロナ流行前の2019年から数量が1・4倍強、金額は1・6倍と急成長を続け、ついに数量は1300万キロ台、金額が470億円台へ到達した。世界的な規模で起きたコロナのパンデミックが、日本玩具の需要へ大きな恩恵をもたらしている。
 貿易統計の品目分類は現在、玩具のみだが、2017年まではプラモデル、鉄道模型などと細分されていた。そこにある2014年から16年までの実績で、全体に占める細分化品目の割合を調べた。3年間の平均で最上位は、数量66・8%、金額49・1%のプラモデル。鉄道模型も数量9・2%、金額11・2%と高く、両方で数量7割、金額6割の高シェアを獲得している(表3、4を参照)。玩具の輸出けん引役に該当するのは、これら模型タイプの玩具だといえる。
 一方、輸入も数量と金額が上昇した。しかし、円安の影響を受け、数量が前年より1000万キロ強に対し、金額は975億円弱も上昇している(表2)。この状況から海外生産品の販売には値上げの影がチラつく。玩具の貿易は不安定要素を抱えながらも、キャラクター人気が下支えし、活発な発展を続けている。

※4月から発行予定の新聞には、2023年の貿易実績を掲載します。

※この記事と初号に掲載した表の金額は、単位が(円)となっておりますが、(千円)の誤りです。