再生プラスチック素材の利用義務化 来年度にも審議入り

法制度

 

 経済産業省の有識者会議(産業構造審議会 産業技術環境分科会 資源循環経済小委員会)が、中間とりまとめ案を6月27日に発表した。日本の経済成長と環境を考慮したうえで、資源の有効活用策を検討する部会がとりまとめた中間案。そこには製造業に対して再生プラスチック素材の利用を義務化する内容が盛り込まれている。現段階で、再生材の利用事項を明確化、それに関する計画の策定、実績の定期報告を求めるのが義務の内容。早ければ年内に内容を固め、来年度の通常国会へ提出し、資源有効利用促進法の改正を審議する日程で進む。

  プラスチック資源循環法が施行されたのは2022年4月1日。そこで政府が注力したのは一度の利用でゴミになるワンウェイものの対策。代表的なのは包装材で、施行前に政府は購入品を入れる袋の有料化を店舗事業者に求めた。その他にも、商品を包む透明な包装材、弁当容器、購入品に無料で付くスプーンなどの素材変更を促した。

  しかし、これら以外のプラスチック製品に対する素材変更は生産者への努力義務に留めた。現状で本体への再生プラ素材利用はビジネス用品など、ごく一部でしか確認できない。上場企業の多くが環境配慮品を使う方針を発表しているので、それにハマるものは素材替えが進んだ。一方、一般消費者向けは販売価格上昇への工夫が必要なため、事業者の商品発売量と消費者が示す購入意欲は低い水準に位置している。

  具体的な対象業種や実施時期は、業種ごとの利用実態、再生材の供給動向、海外の動向などを踏まえて決める。まだ、中間とりまとめ案の段階だが、プラスチックの使用量が多い業種は今から対象になることを念頭に置き、対策を検討しておく必要がある。

 ※ 8月15日発行の新聞には、新品のプラスチック素材と再生プラスチック素材の使用量推移を大まかな用途別で示し、どの様な課題があるかを記事にする予定です。