全日本模型ホビーショーで紹介されていた商品12選

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 日本プラモデル工業協同組合(清水一行理事長)は、10月11~13日、東京・江東区の東京ビッグサイトで「第62回全日本模型ホビーショー」を開催した。プラモデル、ラジコン、フィギュア、鉄道模型、ミニカー、エアソフトガンなどが揃う、模型流通ルートの企業が集結したイベント。今回も「つくろう!あそぼう!楽しもう!」をテーマに掲げ、会期の3日間を初日が業者招待日、後半2日間は一般公開日に分けて行った。
 今回、主催者は昨年までの東京ビッグサイト東館から、東京オリンピックにより増床された南館へ会場を移した。前回よりも広さに余裕がある会場へ出展したのは82の企業および団体。内5社が出版社で、コラボ出展してから8年ぶりとなる鉄道模型が主軸のカツミ、特殊な塗料を扱う斎藤塗料など4社が新規出展した。出展メーカーは冬のボーナス商戦時期や来年投入する新商品を揃え、内容や特長を訴求させる活動に注力していた。その出展メーカーからメインの案内商品を聞き、12社の商品を厳選した。今回は新規性、インバウンド消費、周年などをキーワードとして、新たな広がり要素が感じられる商品を選んだ。選出した商品から日本製模型商品の新たなパワーを感じ取っていただきたい。
 ※商品名下の下線をクリックすると写真が見れます。

 

エムアイモルデ
「若年者や女性にも紹介しよう!独特な姿のプラモデル」
 プラスチックの金型生産が本業の株式会社エムアイモルデは、丸みがある独特なオリジナルデザインのプラモデルキットを紹介していた。
 その中の「ライムかっぱロボ」(12月発売、税込価格2200円、写真の左側)は、果実と妖怪を組み合わせたキャラクターのプラモデル。河童と愛車の合体ロボットという設定のシリーズで、オレンジ色の「みかんかっぱロボ」(既発、写真右側)もある。
 SNSなどで活躍する新人クリエイターのデザインを採用したもの。見た目と接着剤不要な仕様から若年者や女性へもアピールできる。プラモデル需要を未来へつなぐ商品だといえる。

海洋堂
「ファン層は広い!エバのシーンを再現したプラモデル」
 模型商品を幅広く取り扱う株式会社海洋堂は、10月から投入を開始した新世紀エヴァンゲリオンのプラモデルキットシリーズを紹介していた。
 その中で「量産機・襲撃」(来年2月発売予定、税込予定価格7700円)は、躍動感と迫力がある大きな羽が特長のプラモデル。今回は敵方戦闘ロボット兵器の有名なシーンを造形した商品を中心にラインナップしている。
 来年でテレビ放送から30周年を迎えるエヴァンゲリオン。ファン層は50代から20代後半までと幅広く、海外での人気も高い。その需要獲得につながる世界観を表した模型商品が登場する。

壽屋
「来年は強力な商品が揃う!自社IPのプラモデル」
 プラモデルやフィギュアを扱う株式会社壽屋は、自社オリジナルの美少女ファンタジーキャラクターを題材にしたプラモデルシリーズを紹介した。
 その「アルカナディア」は、美少女6人が主役のプラモデルシリーズ。好調な下半身が馬の既発品を参考に、下半身が蛇のメルティーナ(発売日と価格未定)などを投入予定としている。
 本格展開から今年12月で3周年を迎え、来年には商品の大量投入予定があるアルカナディア。現在は天使と悪魔的な物語の浸透とブランド力向上活動を行っている。インバウンド消費を含めた需要獲得環境が整いつつある。

エクスプラス
「リアルさは抜群!ジュラシック・パークのプラモデル」
 リアルな造形のフィギュアなどを扱う株式会社エクスプラスは、映画ジュラシック・パークの世界観を再現したプラモデルキットを紹介していた。
 その「ティラノサウルス・レックス」(12月発売、税込価格6050円)は、恐竜に襲われるシーンを再現した1/35スケールのプラモデル。恐竜の表面を繊細に再現できるよう分割した表皮パーツを貼り付ける仕様にしている。
 海外で受けるほどのリアルさがあるプラモデルシリーズ。しかも、恐竜は標準的な車や飛行機の模型と合うサイズを選んでいる。以降はデビルマンに登場するシレーヌの発売計画がある。

マイクロエース
「この造形で低価格!昭和レトロな風景プラモデル」
 鉄道模型を主力商品とする株式会社マイクロエースは、昭和レトロな風景プラモデルの紹介に注力していた。
 その「風物詩シリーズ」(既発、価格は税込1320~1980円)は、昭和の風景を題材にしたプラモデルシリーズ。揃えているのは22種類で、その中でも行水(現在品切れ中)と花見(春に再出荷予定)の人気が高いという。
 塗装の必要がある昔ながらのプラモデル。その分、作り手次第でリアルな造形に仕上がり、このクオリティで価格は2000円を下回っている。昭和レトロやインバウンド消費などの需要を狙える実績豊富な商品だといえる。

カツミ
「アニメファンも欲しがる!ラッピング電車の鉄道模型」
 Nゲージよりも大きいHOタイプを扱う株式会社カツミは、ラッピング電車の鉄道模型を紹介していた。
 その「伊豆箱根鉄道7000系(7502編成)」(来年春発売予定、税込価格44万円)は、2021年9月まで伊豆と箱根地域を走行していたアニメ映画ラブライブ!のラッピング電車模型。前面が金色の3両編成車両を高精細に再現した。
 技術が向上して製品化が可能になったラッピング電車の模型。対象には聖地巡礼の体験行為が訪日旅行者にも人気のラブライブ!を選んだ。鉄道模型愛好者だけでなく、国内外のアニメファンも取り込める商品が登場する。

トミーテック
「目指せシリーズ化!来年30周年のゆりかもめ車両模型」
 鉄道模型を扱う株式会社トミーテックは、立ち上げた新シリーズの第1弾商品を紹介していた。
 その新交通シリーズとして投入するのは「新交通ゆりかもめ7300系6両セット」(来年3月発売、税込予定価格1万8460円)。別売りの動力ユニットと走行用パーツを利用すれば、Nゲージの鉄道模型として走らせることができる。
 新シリーズの第1弾商品に選んだのは、来年11月に開業30周年を迎える東京臨海新交通臨海線の車両。会場ではガンダム像があるお台場を再現し、走行させていた。第1弾を成功させて他都市の同類車両模型投入を目指す。

ノエルコーポレーション
「夢多き鉄道模型!浮いた状態で飾れるリニア新幹線」
 浮遊玩具をメインに扱う株式会社ノエルコーポレーションは、浮きながら高速走行する鉄道の模型を紹介した。
 その「Nゲージスケール超電導リニアOL系」(税込価格1万1550円)は、まだテスト走行段階のリニア中央新幹線3両編成鉄道模型。同様の浮いた状態で展示と、直線ガイドウェイ上を手動で走行させることができる。
 2034年以降に開業見通しのリニア中央新幹線。浮かせる仕組みなどは多少、異なるもののリアル感は抜群で、Nゲージセット(同10万4500円)を購入すれば高速での走行も可能になる。未来を表す夢多き鉄道模型だといえる。

アーテック
「様々な表現造形が可能!恐竜時代をつくる粘土キット」
 学校教材や教育玩具の製造と販売が主軸の株式会社アーテックは、専用粘土により地形づくりの難易度を下げたジオラマキットを紹介していた。
 2種類ある中の「ダイナソー ジオラマキット【ジャングル】」(既発、税込価格1650円)は、生息地再現用の粘土と恐竜フィギュアなどを揃えたセット商品。粘土素材の地面や岩には足跡を付けるなど独自感も加えられる。
 学校教材を扱う実績を生かした消費者向け商品。自由度が高く、様々な表現造形が可能なものとなる。国内外、年齢性別を問わずに楽しめる模型商品だといえる。

国際貿易
「需要も国際的!昨年の世界ラリー選手権モデルカー」
 車や飛行機、電車などの乗り物玩具を扱う株式会社国際貿易は、昨年11月の世界ラリー選手権で走行したトヨタ車のモデルカーを紹介していた。
 その「トヨタGRヤリス ラリー1」(10月発売予定、予定税込価格7590円)は、台座が付いた飾る仕様のモデルカー。1~3位入賞車と日本人ドライバー勝田貴元が乗車した計4種類のトヨタ車モデルを揃えている。
 車体にあるロゴやナンバープレイトを詳細に再現した記念品的なモデルカー。今年も世界ラリー選手権は11月に日本で行われる。会場の愛知県方面では国際的な需要が期待できる。

クラウンモデル
「狙うのはコスプレイヤーの獲得!リアルな短型騎兵銃」
 10歳以上用のエアソフトガンを中心に扱う株式会社クラウンモデルは、18歳以上用で再現度が高い短型騎兵銃型の新商品を紹介していた。
 その「カラビナー98クルズタイプ」(来年2月発売予定、予定価格1万5800円)は、ドイツ軍が採用した1898年式の短型騎兵銃エアガン。クリップ付きの専用カートリッジ(価格未定)は別売りで同時発売する。
 薬きょうが飛び出すなどリアルさがありながら低価格設定のエアガン。この内容でコスプレイヤーの獲得を狙っている。新規層とガンマニアに商品内容を訴求させて需要の拡張を目指す。

ゴッドハンド
「玄人の課題を解決!力を入れずによく切れるニッパー」
 幅広い種類の模型工具を扱うゴッドハンド株式会社は、来年5月ごろ発売予定のニッパー・ペンチを紹介した。
 その「ライトニングニッパー」(価格未定)は、より軽い力で同じ切れ味が得られるようアルティメットニッパーの歯を細くした姉妹品。しかし、歯が細い分、耐久性も下がり、用途を直径1・5ミリまでに限定している。
 利用経験者が2~3本目として持つのを想定したニッパー・ペンチ。対象者限定品ではあるものの、その層が利用すれば作業時間の短縮などにつながる。組み立てにより集中できる玄人向け工具が来春に登場する。