株式会社メルカリ(山田進太郎社長)が「越境取り引き2024年上半期トレンド」を8月29日に発表した。Buyee(バイイー)が提供する代理購入サポートの仕組みを導入して2019年に消費者間取り引きの越境販売サービスをリリースしたメルカリ。海外消費者との累計取り引き件数は5年間で1700万件を突破し、直近の年間(2023年5月~24年6月)流通総額成長率は前年度の約3・5倍と急上昇している。現在、メルカリを通じて日本の商品を購入できるのは約120の国と地域で暮らす消費者。その取り引き情報を基に、今年1~6月の海外消費者動向を紹介した。ここでは今年6月27にメルカリが発表した年間情報も交えて市況に厚みを加えた。
2024年上半期の取り引き金額が多い国および地域の順位は1位が中国、2位は台湾、3位が米国(下線のある文字をクリックして表示される表4を参照)。しかし、昨年6月から今年5月末までの1年間では2位と3位の順位が逆だった。今年に入り、台湾からの購入意欲が急激に上昇したことになる。取り引き金額および件数ともに、上位を占めるのはホビーとエンタメ系の商品群。この傾向は国内も同じで、国内は取り引き件数の4割以上が両ジャンルに当たる。くじの景品やカプセルトイでしか入手できない限定グッズなどが販売エントリーされる消費者間取り引きならではの傾向だとメルカリ側は分析している。また、件数が多い上位商品とその落札者在住国(または地域)別の件数順位、直近1年間の国別取り引き件数上位商品を見ると、消費者が欲しい商品は国によって違いがあると分かる。
メルカリの越境取り引きで、今年上半期の日本アニメ・キャラクター売上げ1位は、ポケモンが獲得した。国または地域別のポケモン関連商品1人当たり消費額で、一番高額なのは約31万円のオランダであった。2位のドイツとは約12万円の差がある。取り引き金額が多い商品の最上位もポケモンカードなので、これを中心に様々なアイテムが海外へ渡っている。
9月24日に米・ニューヨークで競売にかけられたポケモンカードは36万ドル(約5160万円)で落札された。内容は漫画雑誌のイラスト大会で優秀作品入賞者へ贈られた39枚しか存在しない希少なものであった。お宝ハンティングという言葉が世界共通であるように、内容によって価格が跳ね上がる中古品の傾向は世界的な慣習となる。メルカリが示した2件のトレンド情報から、個人が商品をネット販売できるようになって、中古品売買の世界市場はより身近になり、近年は日本のエントリー品に高い注目が集まっていることが分かった。