株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント(村松俊亮社長)とソニー・ピクチャーズエンタテインメントInc(ラヴィ・アフジャ社長兼CEO)が、共同でピーナッツ・ホールディングLLCの株式を追加取得すると昨年の12月19日に発表した。ピーナッツHDはスヌーピーやチャーリー・ブラウンなどが登場する漫画の知的財産権を保有し、管理している米国の持ち株会社。傘下にはライセンス運営を実質的に担うピーナッツ・ワールドワイドLLCを収めている。ソニーの2社がその株式を約41%持つカナダの企業・ワイルドブレインから所有株のすべてを譲り受ける契約を結んだ。これによりソニーグループの持ち分は2018年に取得した約39%と合わせて80%になり、ピーナッツHDは連結子会社となる。残り20%の株式はピーナッツの原作者遺族が今後も持ち、権利の保有と事業運営についてもピーナッツ・ワールドワイドが引き続き行う方針をソニー側は示している。
擬人化された犬のキャラクター・スヌーピーが登場するピーナッツは、1950年にチャールズ M.シュルツが新聞連載をはじめた漫画。今年が76周年に当たるそのキャラクターとソニーグループのソニー・クリエイティブプロダクツが日本でのライセンスビジネス契約を結んだのは2010年だった。それ以前のピーナッツファンは高齢女性が主軸で、イベントは主に高島屋など百貨店の催事場で行われていた。そのイベントに十代の女性は母親への同伴で参加する程度でしかなく、現在の幅広い年代が主体のファン層とは異なる状況だった。
この現実をソニーCPはネットでの展開により転換させた。原作者が作品を豊富に残した環境を生かし、当時、流行りはじめたSNSと専用ホームページへ定期的に1話ずつを掲載するようにして、若者層がピーナッツの面白さに触れる機会を創設した。ここで活躍したのも、擬人化された犬のスヌーピー。他人の毛布を奪って逃げ回る、飼い主を蹴って「お前に貸しだゾ」とセリフを吐くなどの行動が若い女性からの支持につながり、現在、大流行している犬のオモシロ動画に似た現象を生みだした。これが転機となり、ピーナッツの柄を付けた筆記用具などの生活用品が売れるようになった。
インターネットの発展とともにレトロなピーナッツの国内人気再構築に成功したソニーグループ。この実績と良好な株主関係を築いたことが、今回のピーナッツHD連結子会社化につながった。ソニーグループは「世界中にピーナッツの魅力を届けたい」と、人気のグローバル発展に意欲を示している。
【お知らせ】
2026年2月号の新聞(ホビージャーナル)では、インバウンド消費の動向と新たな政府計画に向けた団体の提言内容、中国の玩具市場とネット販売状況、団体が開催した新年会、海外における2025年の日本アニメ映画興行実績と今年の企業活動、海外アニメ賞へのノミネート結果、企業に影響を及ぼす2026年の法改正、企業(コンビニ3社、ソニーグループ、LINE、メルカリ、東宝)の動向などについて取り上げました。
その中から、ソニーグループがピーナッツHDを子会社化する記事をピックアップして、ホームページに掲載しました。このM&Aはこれまでの実績に基づき、関係構築をしたうえでの合意です。そこから企業とキャラクターが今後、発展につながる感が伝わってきます。

