こだわり面の訴求に注力 TAMASHII NATION

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 株式会社BANDAI SPIRITS(榊󠄀原博社長)は、東京・秋葉原で「TAMASHII NATION」を11月15~17日に開催した。バンダイのフィギュアブランドが年に1度開催する消費者向け商品体験イベント。今回は「ココロ踊るフィギュア体験」をテーマに掲げ、展示会場をロボット関連、アニメとゲーム、特撮と映画に分けて行った。今回、特に注力したのは、それぞれの商品に付加しているこだわり面の訴求。BANDAI SPIRITSが扱うフィギュアは可動域が広く、アニメのシーンを忠実に再現できるのが特長で、中には変形機能を持たせたものもある。手のひらサイズと小さい特撮やアニメキャラクターの商品にもこの機能があり、ロボット系には人間の関節部分に当たる結合パーツに耐久力の高い超合金を採用し、大型で重量感が感じられる仕様にしている。この内容を来場者に浸透させるため、会場では多様なポージングで商品を展示して紹介をしていた。

 今回のロボット関連会場でメインは、ガンダムの最新商品3点であった。その中の2点は商品化が決定したロボットフィギュア。「超合金RX-78F00/E」は、来年開催の大阪・関西万博会場に設置するガンダム像をモチーフにしたもの。肩などへ薄いブルーの配色が施されているのが特長で、商品は万博の像と同じポーズで飾られていた。世界的な需要が期待でき、後々もプレミアムが付く可能性が高い商品だといえる。もうひとつはパッケージを含め、全体に環境へ配慮した素材を選んだ「アースカラー」(RX-78-2)。ガンダムの全体色は通常と異なるブルーになっている。これは企業姿勢を表す面も強調しながら展開していく。最後は参考出品の物語に登場する宇宙ステーション「スペース・コロニー」(side7 1st ver.)。50周年に向けた施設をフィギュア化する初の試みだという。これを見たマニアはスイッチが入り、話しが止まらなくなるニッチな商品に当たる。

 アニメとゲーム会場では、ドラゴンボールをメインにしていた。新商品は40周年に合わせて放送がはじまった新作アニメDAIMAをモチーフにしたものが中心。さらに周年記念商品「ベストセレクション」の詳細を来年1月24日に発表することも紹介していた。展開をはじめた新ブランドのロウタシーノイズは、内容の紹介とともに新商品と新シリーズの投入を発表した。物陰からのぞく様なポーズが特長の「アドケネット」シリーズにWIND BREAKER、外で写真撮影を楽しむ活用方法を推奨している「てくぴく」には黒執事ぼっち・ざ・ろっくのキャラクターを新たに加える。新シリーズは、あなたをいやすがテーマの「もふぁもふぃ」。フワフワ素材のポテッ型フォルムと花束を組み合わせた内容で展開を計画している。このブランドでは飾り方や楽しみ方というコト面を浸透させ、女性のフィギュアファン創出を目指す。

 このアニメとゲームを対象にした会場で、最近のヒット商品を聞いたところ、ワンピース関連が挙がった。その要因は2022年に公開された映画の大ヒット。これによりインバウンド消費を含め、海外消費者からの引き合いが強まり、商品の動きがよくなったという。それ以前の海外における商品動向は、忍者をモチーフにした「NARUTO-ナルト-」の方が上だったが、直近ではそれを超えているとのこと。これに合わせて今回は、ワンピースの商品ラインナップを拡充しただけでなく、鬼滅の刃に登場する刀など劇中アイテムフィギュアも参考出品して、海外消費者向け商品を強化した。アイテムフィギュアはキャラクターの実在身長に合わせた大きさで、飾るだけでなく、大人の成りきり遊びにも使えるのがこだわり面。これで世界規模になりはじめたコスプレ需要の獲得を狙う。

 ※ ここで取り上げた商品は、まだ詳細が決まっていないものが多く、発売日や販売ルートなどは今後のメーカー情報を参考にしてください。
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